彼女はお城にいる召使。
普段はそのお城の地下の部屋に住んでいる。光の差込まない部屋でお姫様に仕えているだけの毎日。自分自身が楽しむことは何もなかった。
ある日、お姫様から「ちょっとお城の外で遊ばない?」と言われ、光の入らない暗い部屋から連れ出された。
お庭に出ると彼女は太陽の光がまぶしすぎて目を開ける」ことができなかった。
徐々になれてきて目をあけることができた。そしてはっきりと見ることができた。すると・・・。
そこには見渡す限りお花畑が広がっていた。
レッドやイエロー、ピンク、オレンジ、バイオレット。さまざまな色のお花が咲いていた。今まで見たことのない色のある世界が広がっていた。そして音楽に合わせながら楽しそうにみんなで踊っている。お姫様が彼女に「一緒に踊ろうよ!」と誘った。
最初は恥ずかしそうにしていたが、しだいに慣れてきた。すると彼女の踊りは他の人とは違う、何か惹き付けるものがあった。彼女自身も初めてそのことに気が付いた。
みんなも彼女と踊ることをとても楽しんだ。そしてその日以来、たまにお庭に遊びに行ってみんなと踊ることが彼女にとって生き甲斐になった。